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親子の関係

乳幼児期の親子のコミュニケーションアイコン

「愛着」~対人関係や学習の基盤~

相手を大事に思う気持ちに支えられた絆を、発達心理学では「愛着」と言います。
赤ちゃんは、特定の人(養育担当者、多くの場合は母親か父親)との社会的なやりとりを通してこの絆を作り上げます。
親子の心のつながり・絆について、発達心理学の「愛着」の理論で説明します。

赤ちゃんの時に特定の人との心の絆を作ることが「愛着」

愛着の発達において、赤ちゃんは、生後7、8か月頃になると、特定の人と意思疎通のために独特のやり方でコミュニケーションをとるようになります。その人は、赤ちゃんが発する声や身振りを解読してくれるし、赤ちゃんが出すサインに応えてくれます。また、いつもお馴染みのやり方で話しかけてくれます。この独特のやり方(コミュニケーションの手順)は、母子など、乳児と特定の人との間でのみ通じるもので、見知らぬ人には使うことができず、意思疎通ができません。 こうした関係が心理的な絆であり、こうしたコミュニケーションとれる関係にある人が愛着の対象です。
子供は、母親や父親との愛着を基盤にして、段階を経て他の人と人間関係を結ぶことを学び、自分の世界づくりを進めていきます。この心理的絆「愛着」は、将来の対人関係を築くモデルになります。

人見知りは絆ができた証拠

1歳半から2歳になる頃は、愛着の対象である特定の人(多くの場合母親か父親)と離れることの不安度が高い時期です。この頃、乳児が、自分に関わろうとする見知らぬ人に対する不安や恐怖から、緊張や混乱の様子や、泣いたり逃げ出そうとする拒否的な行動が見られます。これが「人見知り」です。
見知った人と見知らぬ人を区別して反応する「人見知り」が表れる時期は、愛着が発達している一つの段階と考えられています。

お母さん・お父さんは赤ちゃんと毎日一緒に過ごし、赤ちゃんの気持ちを読み取って世話をしています。二人の間には、他の人には通用しないコミュニケーションが成り立っています。ですから赤ちゃんはお母さんと離れると、自分の気持ちを分かってくれる相手がいないので、不安になって泣き出します。つまり、お母さんとのコミュニケーションがしっかりとれているから、赤ちゃんは人見知りをするのです。

この時期に、人見知りが激しいと「育て方に問題があったのかも」と自分を責めたり、知らない人に挨拶ができないからと子供を叱ったりするお母さん・お父さんがいますが、育て方が悪いのではなく、きちんと育てているから「お母さん・お父さん以外の人はイヤ!」とメッセージを発しているのです。人見知りは対人関係の基礎になる愛着の発達の一つのステップですから、愛着がしっかり形成されていること、「お母さん・お父さんと仲良し」の証拠です。

人見知りの時期を経て、やがて他人ともコミュニケーションを取れる共通手段の言葉が発達して会話ができるようになると、愛着の発達は次の段階になり、拠り所の存在と離れる不安は減ってきます。

言葉の発達と対人関係づくり

愛着の発達の最終段階・3歳頃には、子供の認知能力や言語能力が発達して、会話をして他人とコミュニケーションが取れるようになり、少しずつ、親と離れていても大丈夫になります。子供が外の世界に向かっていく時期です。

他人との関係づくりには言葉の発達が関係しています。他人とのコミュニケーションは人生に欠かせないスキルですが、その多くは言葉を介して行われます。言葉の成長・発達は、他人との関係づくりの要とも言えます。

※言葉の発達については別のコラムで詳しく説明しています。

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