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文化財めぐりコース

浅草散策コース

3 西仏板碑(さいぶついたび)

都指定有形文化財(歴史資料) 仮指定:大正13年2月5日
 史跡指定:昭和27年4月1日 種別変更:昭和56年3月12日
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西仏板碑
写真提供:台東区教育委員会

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西仏板碑
拓本写真提供:台東区教育委員会

 浅草寺本堂の西側、影向堂(ようこうどう)の前にある池のほとりに建つ板碑です。板碑とは、長方形の石板で作った塔婆の一種で、上部が三角形になっています。埼玉県秩父地方で産出する緑泥片岩(秩父青石)で作られた塔婆は青石塔婆と呼ばれ、その色や形態の美しさが好まれてきました。

 西仏板碑(さいぶついたび)は、中央上部に大きく釈迦如来を表す種字を配し、その下に蓮台に立つ地蔵菩薩と蓮華を生けた花瓶、右側には童子像、下部には西仏が家族の今世と来世における幸福を願う文章が刻んであります。建立者の西仏については、『吾妻鏡』建長五年(1253)八月廿九日条で下総国下河辺荘の築堤工事を命じられた奉行人「鎌田三郎入道西仏」のことだと考えられていました。しかし、ほかにも何人か候補がおり、詳しく分かっていません。

 寛保2年(1742)8月には、暴風雨で倒壊しました。『江戸名所図会』によると3段に折れたようで、一番上の部分は伝法院の中にある稲荷社の傍らにあったとされていますが、残念ながら現存していません。その後、文化11年(1814)に10名の有志が集い、2本の側柱を建てて、支えました。

 鎌倉時代末期から室町時代初期の建立と推定され、高さ217.9cm、幅46㎝、都内最大の青石塔婆です。中世の信仰を知る上で貴重な資料であるとともに、巨大板碑の典型例としても重要です。


浅草寺の公開情報

公開日 :
通年
公開時間 :
終日
料金 :
無料
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