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文化財めぐりコース

白金高輪散策コース

4 明治学院インブリー館

重要文化財(建造物) 指定:平成10年12月25日
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インブリー館

 日本で最初の本格的な和英辞典『和英語林集成』の編纂とヘボン式ローマ字表記法の考案で知られるヘボン博士は、安政6年(1859)に来日した米国人宣教医師で、無償の施療事業、和英辞典の編纂、聖書の翻訳の(かたわ)ら、文久3年(1863)に夫人と共に英学教育のための「ヘボン塾」を開設しました。明治学院は、この「ヘボン塾」を起源とする、白金の地に明治20 年(1887)に開設された私立学院です。構内には校舎や寄宿舎、宣教師館が設置され、今でも明治22年(1889)頃竣工の宣教師館(インブリー館)1棟、明治23年(1890)竣工の神学部教室兼図書館(記念館)が現存しています。

 旧宣教師館は、住人のうち最も永く住んでいたW.インブリーにちなみインブリー館と命名されました。この建物は、19世紀後半に流行したアメリカ建築様式のひとつ(ゴシックリバイバル)を多く取り入れた本格的洋風住宅建築であり、都内に現存する最古の宣教師館として極めて貴重なものです。壁の外装は、妻壁(つまかべ)の鋸歯模様のシングル葺きと外壁胴部の鱗状シングル葺きが特徴です。内装には、ホールを中心とする開放的な平面計画と各部屋で異なる床の寄木張り、木部のワニス塗りなど、それまでの日本建築にはなかったものが見られます。また、日本人大工の施工を裏付ける手板等が見つかっています。

 宣教師館としての役割を終えた後も様々な用途に供され、昭和39年(1964)に国道1号線の拡幅のため現在地に曳屋(ひきや)されました。平成7年(1995)から2年間かけて行った保存修理工事で、ほぼ創建当初の姿を取り戻しています。

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礼拝堂と礼拝堂内チャペル

明治学院礼拝堂
港区指定有形文化財(建造物) 指定:平成元年10月25日

 大正5年(1916)建設の礼拝堂は明治学院のシンボルとなっています。建築家W.M.ヴォーリズの設計によるもので、本人もここで結婚式を挙げました。イギリス・ゴシックリバイバル様式の特徴がみられ、当時アメリカで流行したオープンルーフ(シザーストラス)の手法も取り入れられています。

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記念館

明治学院記念館
港区指定有形文化財(建造物) 指定:昭和54年10月23日

 明治23年(1890)、神学部校舎兼図書館として建設された、アメリカ・ネオゴシック様式の2階建ての建物です。元々は煉瓦造でしたが、明治27年(1894)の地震で大破してしまったため、2階から上部は木造に姿を変えています。島崎藤村もこの図書館で学びました。


明治学院の公開情報

構内入構は要事前申請。公開日等については、以下へお問い合わせください。
問合せ先 明治学院(学院長室)TEL 03-5421-5230 (9:00 ~ 16:00)

※学生・生徒の授業等の妨げになる行為や、文化財としての価値を損ねるおそれのある行為などは慎み、マナーを守っていただきますようお願いします。