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文化財めぐりコース

八重洲散策コース

11 髙島屋東京店

国重要文化財(建造物) 2009年6月30日指定
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髙島屋東京店

 天保2年(1831)に京都で古着・木綿商として創業した「たかしまや」が、東京の日本橋に髙島屋東京店を開店させたのは昭和8年(1933)のことです。創建時は日本生命が建設した「日本生命館」であり、髙島屋が建物を借り受ける形を取っていました。

 建築に当たっては学士会館や旧前田家本邸を設計した高橋貞太郎の案が採用されました。彼は「東洋趣味ヲ基調トスル現代建築」をコンセプトに、西欧の歴史様式に日本建築の要素を随所に取り入れました。その後、高橋の意匠を継承しつつ、近代建築の手法を用いた村野藤吾の設計による増築が約30 年間にわたり重ねられ、高橋・村野両名のデザインが見事に調和した現在の姿となりました。

 日本初の全館冷暖房装置を備えた百貨店であり、当時のキャッチコピーである「東京で暑いところ、髙島屋を出たところ」は一世を風靡しました。案内係が手動で操作するエレベーターは、機械が最新式に変わっておりますが、創建時のカゴを改修しながら現在も使用し、髙島屋東京店を代表する顔の一つとなっています。

 昭和25 年(1950)から4 年間、百貨店の屋上では象の高子が飼育されており、「象のいる百貨店」として人気になりました。屋上へはクレーンで上げられたそうです。高子はその後、上野動物園に寄贈されましたが、現在でも小象をモチーフにした塔屋が屋上に残っています。