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文化財めぐりコース

八重洲散策コース

10 名水白木屋の井戸

都旧跡 1918年4月指定
写真

名水白木屋の井戸

 日本橋の南側にあった白木屋は近江商人大村彦太郎の創業で、日本橋北側の越後屋と並ぶ呉服の大店でした。2代目彦太郎は正徳元年(1711)、日本橋周辺の水の悩みを解消するため店内に井戸を掘ります。難工事の中、一体の観音像が出たのを機に、こんこんと清水が湧き出したと言われています。以来、周辺住民のみならず広く「白木名水」とうたわれました。越前松平家では、この水で当主の病が治ったとして、明治維新まで毎朝汲み取りに行ったそうです。

 昭和7年(1932)には、日本初の高層建築物火災が発生します。和服の女性がロープで脱出する際に裾を押さえるため手を放して落下し、これを契機に女性の洋風下着が普及したといわれていますが、この話は後世の脚色のようです。

 白木屋を継いだ東急百貨店日本橋店が平成11年(1999)に閉店し、白木名水は消失しました。観音像は浅草寺に安置され、「名水白木屋の井戸」の碑はCOREDO日本橋アネックス前の広場脇に移設されています。