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文化財めぐりコース

八重洲散策コース

6 三井本館

国重要文化財(建造物) 1998年12月25日指定
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三井本館

 三井本館は江戸時代に三井財閥の基礎を築いた三井高利が呉服屋「越後屋」を構えた跡地に立地しています。現在の三井本館は関東大震災で被災した旧本館を建て替える形で、昭和4年(1929)に竣工しました。

 設計はトローブリッジ&リヴィングストン事務所、施行はジェームズ・スチュアート社が担当。当時のアメリカの最先端の設計と技術を用いて建てられました。建築様式は19 世紀アメリカの公共建築でも数多く見られるギリシア復古調の新古典主義が採用され、建物の3面にわたり壮麗なコリント式の列柱に囲まれています。関東大震災の教訓からその2倍の地震にも耐えられる造りになっています。地下の大金庫の扉は直径2.5m、厚さ最大0.55m、重量50t もあり、運搬時はその重量から日本橋上の通行が許されず、船で新常盤橋のたもとまで運び、陸揚げされたという逸話が残されています。

 かつて本館には三井合名会社、三井銀行(現三井住友銀行)、三井信託銀行(現中央三井信託銀行)、三井物産、三井鉱山(現日本コークス工業)等、の各本社が入居しており、まさしく三井財閥の本拠地としての役割を果たしていました。戦後はGHQ(連合国軍最高司令官総司令部)に建物の一部を接収されたことがあります。

 現在、本館内には三井記念美術館があり、江戸時代以来、三井家が収集してきた貴重な美術品、約4000点が収蔵されています。