八重洲散策コース
2 北町奉行所跡

北町奉行所跡
発掘調査時の写真です
江戸の町奉行は、江戸市中の行政・司法・警察など、幅広い分野を担当していました。南北2 か所に設置され、それぞれ何度か移転しています。
北町奉行所は文化3年(1806)から幕末まで、呉服橋御門内にありました。現在の呉服橋交差点の南西、東京駅日本橋口周辺に当たります。発掘された敷地北東部の溝から角を削り面取りした石が出土し、屋敷の鬼門・艮(北東)の方角を護る呪術的な意味があるといわれています。丸の内トラストシティの東側歩道に、復元された石組みの溝と解説板が設置されています。
高橋英樹や松方弘樹が演じた「遠山の金さん」のモデル・遠山左衛門尉景元は幕末の北町奉行ですが、天保の改革に反対して僅か3 年で罷免されます。その際、町人の生活や娯楽を守ったため、「金さん」の芝居が盛んに上演され人気を博しました。後に南町奉行に返り咲き7年務めますが、南北両方の町奉行を務めるのは異例のことでした。南町奉行所跡は、現在の有楽町駅南東側です。